「幸せになれるかもって思うから、死ぬのが怖いのかな」
ノートの端に見つけたあなたのことば
私はひどく後悔しています
あなたに贈り物を渡せなかったことを
白い肌に真っ赤な楓のような頬をして
思い出せばあなたはいつも笑ってた
子どもたちのさみしさが降り積もるあの場所で
大人びた瞳を 夜の闇に残しながら
どこかに
信じ得るものはないか
ほんとうに美しいものはないかと
見えない涙を流しながら
幸せの後ろ姿が見えそうになったとき
私はあなたの肌を思い出す
人生という素木を受け止めるには
まだあまりにもやわらかだった
あなたの肌を