やさしいとなり

認知症グループホームでの静かで騒がしい日々の記憶と、そのほか誰かにやさしく隣る人たちの物語を描いていきたいです。

やさしいとなり30話「この街の記憶③」

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もうほとんど語られることの無くなった、この街の記憶。

にぎわう街で人々に置き去られた記憶を、

廊下の片隅に立って、遠くを見つめるあの人と、

街の一角にひっそりと据えられた銀杏の木は、

今も静かに見つめているようでした。