やさしいとなり

認知症グループホームでの静かで騒がしい日々の記憶と、そのほか誰かにやさしく隣る人たちの物語を描いていきたいです。

五行詩

空を見上げることを

遠く忘れてしまった

この心

気づいたときには

もう包まれていて

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最近、五行詩というものに出会いました。

「五行で書く詩」ということ以外、

なにも決まりごとのない詩。

なんだかいいな、と思います。

つぶやきのような

ため息のような

そよ風のような

そんな詩のスタイルが

なんだか好きです。

冬の日

冬になると思い出す
小さな野ねずみの家族
穴の中からひょっこり現れて
森を行ったり来たりかけまわる
 
街には冷たい風が吹き
人々がこれからどうして生きていかれようと
嘆くとき
 
穴のなかの野ねずみたちは
集めたばかりの落葉の上で
静かにやさしく
からだを寄せ合う